実際、オオヒキガエルが数年間生息している地域で、オーストラリアワニがオオヒキガエルを食べて死亡するケースが95%も減少し、その効果は継続しました。
例えば、ある地域では2020年に63頭のワニの死体が発見されていました。
しかし、ゲロマズカエル散布後の2021年には、ヒキガエルを食べて死んだワニの死体はたった3頭だけでした。
さらに別の地域では、学習後にオオヒキガエルを食べるワニはいなくなりました。
対照的に、ゲロマズカエルが散布されていない近隣地域では、同時期に20~40%のワニがオオヒキガエルを食べて死んでいました。
加工したオオヒキガエルを散布するという方法は、希少なオーストラリアワニを保護するのに大きな効果を発揮したのです。
実験後の経過も良好であり、研究チームは、「このプログラムの後、ワニの個体数が戻ってきているのが分かります」と報告しています。
ただ、これはあまり持続可能性のある手段とは言えないので、「この方法をいつまで続けるべきか」という観点で、今後も観察が必要でしょう。
窮地を脱し、個体数が回復したオーストラリアワニに対して、見守るだけで大丈夫なのか、それとも定期的にゲロマズカエルを与え続ける必要があるのか、考慮する必要はありそうです。
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参考文献
Crook croc Cuisine: Could a bad dinner save a species?
https://www.eurekalert.org/news-releases/1054399
元論文
Taste aversion training can educate free-ranging crocodiles against toxic invaders
https://doi.org/10.1098/rspb.2023.2507