しかし、こうした人は全体の中のごく僅かであり、あくまで例外だ。多くの人はセルフスターターではないからこそ、オフィス勤務というお金のかかる形態で意識的コミットメントを高める仕組みを企業が持っている。監視の目がなくても、毎日毎日、8時間サボらずに仕事に集中してオフィスに居るときより高いパフォーマンスを出し続けられる、そんな人は極めて限定的だ。人間は本来、怠惰でありオフィスに居る時以上に自走できるほど出来上がった生物ではないのだ。

結論的に多くの場合にリモートワークは生産性が落ちてしまう働き方で、パンデミックが落ち着いたこのタイミングで国際競争に勝つためにリモートワークを解除するのは当然の流れだ。企業はあくまで利益を追求する組織に過ぎない。

独立するのが一番確実

フルリモート勤務を強く希望し、リモートワークを解除する企業の対応に強く批判する人は「転職」という選択肢を考える。だが、どんな企業に転職をしても、そもそもフルリモートに耐えうる業務内容である仕事は限定的だ。

また、仮に現時点でフルリモート勤務を許していても、企業間競争で業績が厳しくなれば、会社も生き残りをかけて生産性を高める目的でリモートワークを解除する可能性は当然ありえる。年をとっても転職し続けられる労働市場強者は別だが、40代以降にそれをするのはかなり人を選ぶので現実的ではない。ではどうすればいいか?答えは独立である。

自分自身、10年以上前から週末起業をしていたが、その当時から自宅や有料自習室で自分のビジネスをしていた生粋のリモートワーカーである。始めた時は会社員だったので、リモートワークしかできなかった事情が幸いした。そこからはずっとリモートワークだ。リモートワークしかできない仕事、で生産性が高まる仕事だけをし続けてきたのだ。

独立すればリモートワークは好きなだけ続けられる。たとえばエンジニア職ならリモートワークと極めて相性がいい。クライアントワークでも、自分で事業を立ち上げるのでも自宅で仕事を続けやすい。仕事を取り続ける営業力を磨けば、いつまで続けられるか分からない転職という選択肢にベットするより遥かに勝ちやすい。