■令和のコンプラは格ゲーにも…
ときに、昭和を知らない読者の中には、昭和世代から「昔は電車の中で煙草が吸えた」「部活中は水を飲んではいけなかった」など、令和の価値観では考えられない、無骨でアナーキーな当時の常識を聞き、驚愕した経験のある人もいるのでは。
じつは「eスポーツ」として競技としての側面が強まった現在の格ゲーでも、よく似た事例が見られるのだ。
まだ「eスポーツ」という言葉が存在しなかった頃の格ゲーでは、発生の早い下段攻撃始動のコンボから体力が8割消し飛んだり、人間の反応の限界を超えた発生速度から出される中段攻撃からコンボが繋がったりなどは日常茶飯事であった。
現在の「eスポーツとしての格ゲー」からデビューしたゲーマーが過去のタイトルをプレイすると、その尖り具合に戦慄することだろう。中でも豪鬼は過去作にて尖った部分が顕著であったため、『スト6』の参戦において、かなり念入りな調整が重ねられたと見受けられる。
なお今回の調査結果について、久保氏(バーンアウト)は「これは正直、豪鬼が1位になれるとは考えていませんでした」「皆さん、お持ちのPCやスマホで『ごうき』を漢字変換してみてください。真っ先に出てくる候補は『豪気』か『剛毅』ではないでしょうか?」「2つとも言葉として昔から存在していますし、使う機会も豪鬼よりかは多いはずです」と分析。
そして「こればかりは負けを認めざるを得ません…」と項垂れつつも、「しかし読者の皆さまには、私の負け惜しみを最後に聞いて頂きたい」「豪気よりも豪鬼の方が、同じく剛毅よりも豪鬼の方がしっくり来る、あるべき場所にある、そんな気がします」と、格ゲーマーとしての矜持を感じさせるコメントを寄せてくれたのだ。