■“陰謀論”の間違いを暴く科学者
やはりHAARPは悪事を企んでいるのだろうか。スタンフォード大学教授のウムラン・イナンは科学系メディア「Popular Science」に対し、それらの“陰謀論”は偽りであると説明した。
彼は「地球の気象システムを乱すために私たちにできることはまったくありません」と断言している。
HAARPが実際に何をするのかを説明するのが非常に難しいため、HAARPが非常に多くの“陰謀論”を呼び寄せていると説明する者もいる。科学の知識のない者にとっては、HAARPのすべてが非常に神秘的であるように見える。HAARPが政府資金による他の施設に比べて研究に積極的でないという事実も、この謎の雰囲気をさらに強めている。
2015年、アメリカ政府はよりオープンな態度を示すためにHAARPの見学ツアーを開催し、同年、アラスカ大学フェアバンクス校もこのプロジェクトの単独管理を引き継ぎ、米軍から完全に分離された。これにより“陰謀論”に終止符が打たれ、HAARPがより積極的に研究に取り組むことができるようになることが期待されていた。
他の多くの“陰謀論”と同様に、結局のところ、HAARPをめぐる主張には信頼できる証拠がまったくない。気象操作、マインドコントロール、地震活動の誘発などの主張は、依然として科学的研究によって実証されていない。HAARPを理解できる科学者たちは、HAARPの主な焦点は電離層研究と無線通信の進歩であり、極端な主張には根拠がないと強調している。
HAARPは人々を魅了するかもしれないが、その真の目的を理解し、それを中心に広まっている憶測を払拭するには、事実とフィクションを明確に区別することが重要である。
参考:「Historic Mysteries」ほか
文=仲田しんじ
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提供元・TOCANA
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