今では岸田首相の置き土産となった「日仏協力のロードマップ」ですが、それ以前の2020年10月、菅義偉前首相が2050年にカーボンニュートラルを実現すると公言しており、日本は脱炭素にむけた動きを確かに加速してきているのです。

生首での演出、汚れすぎる川、粗雑な選手村、メダルの劣化、誤審の数々・・・。こう揶揄もされるなか7月31日、男子柔道90キロ級、村尾選手VSラシャベカウリの決勝戦のとき。

日本の柔道とフランスのJUDOは違うという。今や「JUDO人口を誇るフランスが本場だ」ともいわれています。本家の日本は伝統や技術の継承とは程遠いフランスJUDOに負けました。世界が注目するなかフランスが有利な審判を仰ぐことを厭わなかったのです。それが国際舞台の現実でした。日本は「ルールが世界共通ではない」ことを学びました。

世界は主張するだけでなく、ルールを都合よく解釈します。フランス芸術界・音楽界のジャポニズムにみられるように、異文化を受け入れる器量をもちながら、柔らの道より、何が何でも勝つ道を選びました。その時、日本の柔道界にどれだけの味方がいたでしょうか。

そうこう考えていると、やはり心配になってきます。フランスが日本に近づいてくるときは前進しない日本の原子力政策・核燃料サイクルを逆手にとり、自国の新旧原発から発生した放射性廃棄物を「規制の緩い日本」「全国の公共工事などで使用」する可能性も否定できません。

日本が無為に過ごし、フランスの主張に押され続けていけば、あれもこれもフランス企業が陣取り、日本の国土が廃棄物だらけに。五輪後の日仏関係にも注意が必要です。

【参考】

・環境省放射性物質汚染廃棄物処理情報サイト ・日本原子力産業協会 ・堤未果『「平和な国」日本の裏側』(経営科学出版、2024年)

半場 憲二(はんば けんじ) メンタル心理ヘルスカウンセラー 福祉心理カウンセラー 日本語教師