また材料内部全体に存在するという性質を利用することができれば、損失の無い光の伝達や単一の光子だけを発する光源など、さまざまな技術に適用することが可能になるでしょう。

どんなにネジ曲がっても光が伝播する光ファイバーのようなものも可能になるかもしれません。

研究者たちは最後に、アインシュタインの理論に実際の光の挙動が反したのは、屈折率0の材料を想定していなかったことが原因であり、偉大な先人の理論を進化させることができて嬉しいと述べています。

※この記事は、2022年5月公開のものを再掲載しています。

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参考文献

In Einstein’s footsteps and beyond Zero-index metamaterials offers new insights into the foundations of quantum mechanics
https://www.seas.harvard.edu/news/2022/04/einsteins-footsteps-and-beyond

元論文

Momentum considerations inside near-zero index materials
https://www.nature.com/articles/s41377-022-00790-z

ライター

川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。

編集者

海沼 賢: ナゾロジーのディレクションを担当。大学では電気電子工学、大学院では知識科学を専攻。科学進歩と共に分断されがちな分野間交流の場、一般の人々が科学知識とふれあう場の創出を目指しています。