ビジネス
2024/09/01
【CEOインタビュー】AIビデオ監視で建設現場の事故防止・盗難予防も|シンガポールAilyticsの躍進、日本市場にも視線
―― 日本の建築現場では労働力不足が深刻化していますが、Ailyticsのサービスはこの問題に貢献できますか?
Tan: 効率の向上により労働力を減らすことが可能です。例えば、ナンバープレートを記録する人員の配置は不要になります。大規模なプロジェクトの安全面においては、安全対策チームも少し縮小できるでしょう。人員をかなり削減できますが、大幅な削減とは言えないかもしれません。なぜなら、必要な多くの手作業を置き換えているわけではなく、労働者が怪我をしないようにすることで、プロジェクトの遅延を防いでいるからです。
今後の事業展開
同社は今年270万ドルの資金調達をして、大規模ビジョンモデル(LVM)と呼ばれる次世代AIモデルによるサービス革新への研究にも取り組んでいる。これは大規模言語モデル(LLM)に近い構造で、画像や動画の処理に特化したモデルであり、より精度の高い視覚情報の解析も可能だ。例えば、現在のAIの検出したものに対する2次チェックや、「青いショベルを持った白いヘルメットを着用している人」といったより具体的な状況の検出と言語化も可能になるかもしれない。
ただし、まだ計算負荷が非常に高いため、同社は技術の最適化を進めているそうだ。
さらには海外へのサービス展開にも注力している。すでにシンガポール以外にも、香港、マレーシア、インドネシア、イスラエル、イタリア、アラブ首長国連邦など世界中で事業展開しており、今後はさらなるグローバルマーケットを目指している。
―― 他国の環境でもAilyticsのサービスは利用可能ですか?
Tan: はい。海外展開する際にも少し調整するだけでそのままサービスを利用できます。AIモデルも再学習も特になく利用できます。一番大きな課題は、現地でのセッティングに関するものです。カメラなどの物理的なハードウェアのセッティングを手伝ってくれる非常に良いパートナーが必要です。そうすれば、私たちはソフトウェアに集中してリモートでビジネス展開できます。
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