ビジネス
2024/09/01
【CEOインタビュー】AIビデオ監視で建設現場の事故防止・盗難予防も|シンガポールAilyticsの躍進、日本市場にも視線
―― AiVehicleAccessで動画から車両情報を認識することでどのような利点がありますか?
Tan: シンガポールでは現在、入口と出口に人がいて、現場に出入りするトラックや全ての車両のナンバープレートを手動で記録しています。弊社のサービスならば、この作業を自動化できるので、入口と出口でナンバープレートを記録する人員の確保が必要なくなります。
この機能は盗難予防にも有効です。たとえばトラックが現場から資材を持ち出す際などには盗難の被害につながるリスクも考えられ、実際に建設業者が窃盗の被害に遭うケースも起きています。通常、これを追跡するのは非常に困難ですが、弊社のサービスでは上部に2台目のカメラを設置すればこの問題を解決できます。
カメラを高い位置に設置してトラックの積荷写真を撮ります。これにより、出ていくすべてのトラックが何を積んでいるかを確認して、盗難がないか検知します。
日本の建築現場がかかえる労働力不足の問題
同社のサービスは建設作業員の人命を救うのと同時に、さまざまな面から建設現場をサポートしている。実際に同システムを導入した場合、コスト面でどのようなメリットがあるのかということと、日本の建築現場がかかえる労働力不足の問題についても詳細に伺った。
―― 企業がAilyticsのサービスを導入することにおける具体的な利益を教えてください。
Tan: AIによる生産性の向上や人員の削減効果により、ROI(投資収益率)は6~9か月以内に回収できます。さらに、建設現場で常時監視を行うことで、安全性違反や事故のリスクを示す証拠を提供しています。これは違反行為を抑止し、行動を変える効果があります。
安全面でのROIは定量化が難しいものの、危険な行動の捕捉増加や大事故の防止によって大きな価値を生み出すでしょう。例えば、現場で大きな事故が1度でも発生したら、弊社のシステムを何度も導入できるほどの費用が発生するかと思われます。結果として、現場の安全性向上と証拠収集を同時に実現し、潜在的に高額な事故を防ぐことで即座にROIを達成できる可能性があります。
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