オランダの貿易の中心的な役割を担ったのはオランダ東インド会社。世界初の株式会社であり、保険の起源ともなった会社です。彼らが貿易の対象としていたのはこれらの香辛料でした。当時ヨーロッパでは肉を保存するために香辛料は必需品であり、高値で取引されていました。
当時国際取引は銀で行われていましたが、当時日本は石見銀山に代表される銀の産出国だったので平戸を拠点にして銀を買う意味は非常に大きかったのです。
西洋の甲冑がありました!マンガやアニメの世界でしかみたことないですが、さすがに西洋でも17世紀においてはイミテーションとなっており実際に使用はしていなかったようですね。これは平戸の城主に送られた贈答品だそうです。
商館を出て再び外に出てきました。ちょっと変わった形の井戸は「オランダ井戸」。海の近くにあるのに海水は全く混じらないという不思議な井戸です。街を歩くと所々でこのようなオランダの残り香を感じることができます。
井戸といえばこちらは中国・明の商人が掘ったと言われる六角井戸もあります。平戸はオランダだけでなく明やイギリスとも交易をおこなっていました。井戸ひとつにしてもいろんな形なのが興味深いです。
平戸に上陸した西洋船には宣教師たちも乗っており、この地においても布教活動を進めてきました。社会科で習ったフランシスコ・ザビエルも平戸に住み布教活動を行っています。江戸幕府は禁教令を敷きキリスト教を厳しく弾圧してきましたが平戸の人たちはそれでも信仰を守り続けました。信教の自由が認められた今、この地域には多くの教会が建って人々の心のよりどころとなっています。
その代表格、平戸ザビエル記念教会は1931年に建てられました。教会坂の上に建ち、平戸の信者たちを見守っています。
教会の多い平戸の町ですが、平戸ザビエル記念教会の付近には寺も点在しています。信教の自由が認められた現代ならではの光景です。