同社はこれまでに累計150万ドル以上を調達しており、2023年11月のシードラウンドでは130万ドルを調達したことを複数のメディアが報じている。
アフリカ発の取り組みが日本でも生きる可能性
太陽光発電を使った冷蔵保管や農産物売買のデジタル化、産地直送の農業D2Cは、日本でも取り組まれている。農協が集荷し生鮮卸を通じて近代小売に売られていくという、確立されたサプライチェーンが存在している日本で“新しい試み”とされている取り組みが、サプライチェーンが不確実なアフリカでの取り組みと似ているのは興味深い点だ。仕組みがないアフリカだからこそ生み出された農産物を届ける取り組みが、いずれ日本に逆輸入されるケースがでてくるかもしれない。
文・藤原梓(アフリカビジネスパートナーズ)
参考
「アフリカ農業に関する13の基礎情報」
「アフリカ業界地図:ケニアの農産物バリューチェーンの概要」
週刊アフリカビジネス673号(2023年11月27日号)
週刊アフリカビジネス694号(2024年5月6日号)
週刊アフリカビジネス698号(2024年6月3日号)
≪アフリカビジネスパートナーズ プロフィール≫
https://abp.co.jp/
アフリカビジネスに特化したコンサルティングファーム。2012年設立。ケニアや南アフリカに現地法人を持ち、アフリカ40か国で新規事業立ち上げや事業拡大、スタートアップ投資に関する支援を提供。スタートアップ関連では、日本企業やCVCに対する有望スタートアップの紹介や、出資の際のデューデリジェンスを中立的な立場から提供している。2022年にはアフリカのスタートアップの調達金額やビジネスモデルを紹介した「スタートアップ白書」を発行。毎週「週刊アフリカビジネス」をメールで配信し、スタートアップの動きを日本語で提供している。