メタアナリシス(meta-analysis)またメタ分析というのは、複数の研究の結果を統合し、より正確な分析や傾向を見つけ出す統計解析の研究のことをいいます。
分析に含まれた研究は、2001年から2020年半ばまでに実施されたもので、4大陸の計17万2000人の参加者を含んでいます。
この対象者のうち、約15万8000人が肉も食べる人たちで、約1万3000人は肉を食べない人たちでした。
分析されたうち、2つを除いてすべての研究が、参加者に肉を食べるかどうかをアンケート調査していて、同時に日常感じている不安レベルやうつ病の経験についてもアンケートを取っていました。
この大規模なメタアナリシスの結果は、「肉食の放棄は、明らかにメンタルヘルスの低下と関連している」というものでした。
これは性別に関係なく見られる傾向で、肉を食べることをやめた人たちは、うつ病、不安、自傷行為のリスクが高まっていることが示唆されたのです。
似たような分析は、ドイツの研究チームからも2021年8月に報告されていて、そこでは菜食主義者は明らかに肉を食べている人よりも高いうつ病スコアと関連していると示唆されています。
肉を食べないということは、精神的な健康に影響するのでしょうか?
また、肉を食べることで、うつ病などの予防に役立てることができるのでしょうか?
しかし、ドベルスク氏はこの結果に対して、肉を食べないことが精神疾患につながるとは言えないと注意を述べています。
それは一体どういう意味なのでしょうか?
メンタルヘルスが低下したから肉を食べるのをやめた?
肉食とメンタルヘルスに相関関係があることは、科学的に明らかであるようです。
しかし、こうしたアンケート主体の調査から見つかる相関関係では、明確にできない部分が存在します。
それは「肉食をやめたからメンタルヘルスが低下したのか?」、あるいは「メンタルヘルスが低下したから肉食をやめたのか?」ということです。