ただ装置を作ってすぐに電子が観察できたわけではありません。
研究者たちはまず準備段階として、ポンプパルスがグラフェンに当たったときに、グラフェン内部の電子密度がどのように変化するかを予測しました。

すると上の動画のように最初のポンプパルスが命中するとグラフェン内部の電子密度が波打つように変化することが判明します。

次に研究者たちはグラフェンに電荷をかけたときの電子密度の変化を記録しました。
すると上の図のように、赤い部分で電子密度が高くなっていることが判明します。
研究者たちはこれら基礎情報を元に装置を使った測定を行いました。

結果、アト秒レベルの時間分解能で、グラフェン内部の電子の様子を捉えることに成功。
また観測されたデータは事前に調べた2つの基礎情報とも矛盾していないことが示されました。
研究者たちはこの装置「アト顕微鏡」を使えば「空間の中で電子の運動する様子を視覚的に見ることができるようになる」と述べています。
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参考文献
Freeze-frame: Researchers develop world’s fastest microscope that can see electrons in motion
https://phys.org/news/2024-08-world-fastest-microscope-electrons-motion.html