グミ人気が高まった5つの理由

「近年の伸びはコロナの閉塞感の中で、味に加えて楽しさが評価されたのも大きいと思います。コロナ明けの現在は仕事中の息抜き、在宅での気分転換などで喫食されています」

 明治で「果汁グミ」などを担当する福島浩介さん(グローバルカカオ事業本部 カカオマーケティング部 課長補佐)はこう話し、人気の理由として、「(1)バリエーションの豊富さ、(2)新商品のわくわく感、(3)コミュニケーションツール、(4)コスパ・タイパの良さ、(5)小腹満たし・手が汚れない」の5つを挙げる。

 それぞれ補足すると、(1)は色・形・味の種類も多く、(2)次々に登場する新商品を楽しむ人もいる。また、(3)人と会う時に渡したり、一緒に楽しんだりもでき、(4)価格も100~200円程度が多く、口に入れればしばらく味わえる。(5)手軽に小腹を満たすことができ、大半の商品は手が汚れない。“スマホをいじりながら”の現代人にも合っているのだ。

 日本のグミ市場を開拓したのが、明治(当時は明治製菓)だ。1980年にコーラ味の「コーラアップ」を発売。さらに1988年に「果汁グミ」を発売した。果汁の煮詰め技術やゼラチン溶解技術を実現させた同商品の大ヒットにより、競合他社もグミ市場に参入した。

グミ市場、10年前の3倍に急拡大…フルーツ感と噛み心地にも変化
(画像=現在の「果汁グミ」商品例(筆者撮影),『Business Journal』より 引用)

 2000年以降は各メーカーから果汁系や飲料系のラインナップも増え、近年、より市場が活性化しているのだ。味は大きく分けて「果汁系」(約6割)とコーラやソーダなどの「飲料系」(約3割)、「グルメ系などその他」(約1割)と聞く。