Image Credit : Miru Smart Technologies

オフィスや住宅などで、室内に入ってくる光を遮るためにブラインドやカーテンを使うことが一般的だ。だが、最近では電圧で透光性を変えられるエレクトロクロミックガラスというものがある。このテクノロジーは近年、飛行機の窓に採用されており、乗客はボタン操作で遮光の程度を調整できる。

カナダ・バンクーバーに本社を置くMiru Smart Technologies(以下Miru)はこの技術をさらに発展させて、手動操作ではなく自動で遮光を調整する次世代のエレクトロクロミックガラスを開発している。建築や交通輸送などの分野でこの技術の商業展開を進めるべく、このほど2000万米ドル(約29億円)を調達した。

インクでコーティング

従来のエレクトロクロミックガラスは、ガラスの間に化学物質の層があり、電圧を印加することで分子が酸化・還元反応を起こして色が変化する仕組みになっている。一方で、Miruの場合はインクを使ったコーティングがベースとなっており、合成化学物質やナノ粒子は不要としている。

コーティングされたガラスの間にレイヤーと電流を流すバスバーがはさまれるという構造により、光を遮ることなくそのまま取り込む透明な状態から、完全に遮光する状態にまでガラス全面の色を均一に変化させることができる。

Image Credit:Miru Smart Technologies

Miruが自社製品を「次世代」と呼ぶのは、こうした技術に加えて使用目的の大きさにフレキシブルに対応でき、カーブさせることも可能なためだ。また、ガラスは曇りや反射などを抑え、完全に透明だとしている。熱やまぶしさを制御しながら、自然光を取り入れるように自動的に調整可能。同社は建物や車の窓などでの活用を想定している。

Image Credit : Miru Smart Technologies

空調のエネルギー消費を抑制