今回の研究では、便秘とMACEの間の遺伝的関連性も調査され、この2つに遺伝的相関関係があると認められました。(詳細な点はまだ分かっていません)

研究チームは、「便秘とMACEのそれぞれの症状の根底には、共通の遺伝的要因があるかもしれない」と推察しており、「この発見は腸の健康と心臓の健康を結び付ける新たな研究の道を開くものです」と続けています。

加えてチームは、便秘とMACEを関連付ける理論の1つとして、「リーキーガット(腸管壁侵漏)」を挙げています。

リーキーガットとは本来腸壁を透過しない毒素等入り込むことがあります。

この状態がリーキーガット(腸管壁侵漏)と呼ばれており、感染症やアレルギーなど全身に様々な不調を引き起こします。

これは高血圧やがんの発病や進行とも関連があると考えられています。

腸のバリア機能の低下が、便秘と心臓病の両方に関連しているのかもしれない
腸のバリア機能の低下が、便秘と心臓病の両方に関連しているのかもしれない / Credit:Canva

リーキーガットでは、腸内が炎症を起こし、腸の運動が鈍くなるため、これが便秘を引き起こす可能性があるのです。

またリーキーガットの原因の1つは不適切な食事やストレスだと考えられており、これも便秘を引き起こす要因です。

そのため研究チームは、便秘と関連しているリーキーガットによって、心臓発作のリスクが高まっているのかもしれないと考えています。

もちろんこれは現段階での推測に過ぎず、正確な理解を得るためには、更なる研究が必要でとなります。

それでも、患者に2倍近い発症リスクの差があるとなると、便秘と心臓発作には、何らかの関連性があると考えられます。

便秘を「よくある健康トラブル」として見過ごすのではなく、心臓発作のリスクを増大させる「重大な問題」と関連していると警戒しておくことは、非常に重要になるかもしれません。

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参考文献

New study finds constipation is a significant risk factor for major cardiac events
https://www.monash.edu/science/news-events/news/current/new-study-finds-constipation-is-a-significant-risk-factor-for-major-cardiac-events