一番小さな円は著作権保護の例外として 著作権が制限される領域、表現の自由から見ると例外の例外として、著作権法が制限される領域、表現の自由から見ると、例外の例外として、表現の自由が復活する領域である。

2番目と3番目の間の灰色の部分のドーナツが著作権で保護される領域である。日本の方がドーナツが太い、つまり 著作権の保護が厚い。

「フェアユースは経済を救う」ではこの後、表現の自由が保障される部分(ドーナツの外側の白い輪)と表現の自由が復活する部分(真ん中の白い円)が米国の方が大きい点を、それぞれ日米の対照的な判決を紹介しながら実証したので、詳細はそちらに譲るが、ダンシング・ベイビー事件も日米の差を示す好例である。

この事件は「10年以上の訴訟を経て、ダンシング・ベイビーはすべての人にとってのフェアユースを強化するために役割を果たした」のとおり、フェアユースを強化した。

対して日本では、こうした動画は陽の目を見ないからである。以下、「国破れて著作権法あり」から抜粋する。

フェアユースはベンチャー企業の資本金とばれるようにグーグルなど米IT企業の成長に貢献したが(第6章参照)、DMCAもYouTubeなど米プラットフォーマーの躍進に貢献。日本では、母親が踊っている子どものビデオを動画共有サイトに投稿した場合、フェアユース規定がないため、権利者が削除してほしいと言えばプロバイダーは当然削除する。このため、“Let’s Go Crazy” #1の動画は10年間で190万回も再生されることなくお蔵入りになってしまう。