サーフィンは代表的なマリンスポーツであり、この記事を読んでいる人の中にもサーファーや体験したことのある人は多いでしょう。
そんなサーフィンですが、かつてはハワイの社会にて特別な存在として扱われていました。
果たしてサーフィンはハワイにてどのような扱いを受けていたのでしょうか?
またサーフィンはどのように世界中に広がっていったのでしょうか?
本記事ではサーフィンがハワイの社会でどのような地位を占めていたのかについて取り上げつつ、それがどういう形で世界中に広がっていったのかについて紹介します。
なおこの研究は東北福祉大学研究紀要32巻p. 153-169に詳細が書かれています。
目次
- ポリネシア人の生活に組み込まれていたサーフィン
- 一度壊滅しかけるも、マリンスポーツとして復興
ポリネシア人の生活に組み込まれていたサーフィン
サーフィンが歴史上初めて記録されたのは1778年のことであり、ジェームズ・クックが初めてハワイを訪れたときです。
発掘調査で見つけられた最古のサーフボートは300年前のものであり、少なくとも18世紀初頭からサーフィンが行われていたことは確実視されているのです。
しかしポリネシアの神話の中には勇者たちが決闘の手段としてサーフィンを行う話や、山岳地帯の部族のところに嫁いだためにサーフィンを行うことができずに悲しんでいる女性の話もあります。
そのことから波を楽しむ習慣は1000年以上前からあったのではないかと考えられており、サーフィンの歴史はかなり長いと言われているのです。
またサーフィンは一般的にはハワイ諸島にて生まれたといわれていますが、それ以外のポリネシア地域の島々でも似たような文化は見られており、ハワイだけでサーフィンが行われていたわけではありません。
そのことからサーフィンは、古のポリネシア人が島々を移動したときに使ったカヌーで海のうねりを利用し、波の力を使って岸に上がる知恵から始まったのではないかと言われています。