黒坂岳央です。

一般的に大手企業のサラリーマンや公務員が人気だ。よく聞く話が、親は子供がそうした職を得れば安心し、婚活でも大手企業勤務の男性が人気という話がある。自分も昔、ひたすら大手に憧れて就活をしていた時期があった。

世の中で過小評価されているが、実際はとてつもなく恵まれている職業がある。それは中小企業オーナーである(厳密には「職業」ではないが水平比較する便宜上使用する)。世の中の多くはサラリーマンであり、その実態を知る人は圧倒的に少数である。「経済的に不安定そう」「24時間仕事漬けでしんどそう」というネガティブなイメージも少なくない。だが正直、そこそこうまくいけばこれほどのチート職は他に存在しないといっていい。

ポジショントークのつもりはないのだが、収入や働き方の自由さなどを考えれば、この職業こそが真の成功者といえるほどのメリットが有るのだ。

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1. 使えるお金が圧倒的に多い

中小企業オーナーの最大の魅力の一つは、何といっても「使えるお金の多さ」にある。よく言われることの1つに、サラリーマンや公務員が頑張っても収入には確実に限界があるという話がある。残業をしても優良企業に務めても、年収はせいぜい2000万円くらいで頭打ちすることが多い。

あらかじめお断りしておくと、自分は「職業に貴賎なし」という言葉の意味を深く理解しているし、自分もアルバイト、派遣、正社員、経営者と一通り経験して、収入の多寡で上下関係を意識するほど稚拙なメンタリティの持ち主ではないと思っている。感情論を排除した上で、あくまで事実ベースで話を進めていきたい。

さてその一方で、中小企業オーナーは、自らのビジネスが成功すればするほど、得られる収入が無限に拡大する。よく言われることに「確かに高収入かもしれないが、まったく収入が安定しないではないか。不況が来たら一気に厳しくなるぞ」という反論が想定されるが、実際には不況の厳しさについては世間でよく誤解されている。