360度評価の大半がその人の働きぶりや勤務態度を評価する内容になっています。では、働きぶりや勤務態度が良くても、役割を果たせていない人、結果が出ていない人を高く評価しても良いでしょうか?

答えはNOです。いくら頑張っているからと言って、その人の勤務態度つまり頑張りで評価をしてはいけません。

もし頑張りで評価をしてしまうと、結果が出せない人ほど自分を良く見せるといった『アピール上手』に走ります。また自分が果たさなければいけない業務を差し置いて他人のサポートを優先するなど、結果ではなく周りから頑張っていると思われるような行動に注力し始めます。

仲良しこよしで成果が出ない組織

結果を追い求める集団ではなくアピール上手な集団になってしまっては、その会社はどうなりますか?間違いなく生産性は落ち、倒産に向かうことになります。一見、働いている従業員同氏は仲が良く、助け合いが当たり前で良い雰囲気に見えることもあるでしょう。

360度評価の弊害はここにも存在します。頑張っている姿を見てもらいたいが故に、周りから高い評価をもらいたいがゆえに、明確なルールも設けず、果たすべき責任の範囲もあいまいにし、皆が一定の評価をもらえる状態を作る方向に走ってしまうと会社はおしまいです。

まとめ

いかがでしょうか? 360度評価によって様々な人からの評価がもらえるものと、メリットばかりに目が向いていませんでしょうか。

改めてですが自己分析としてのツールであれば活用するメリットはあります。しかし実はデメリットの方が多いため、これから評価制度を取り入れることを考えている企業の方々はお勧めしません。また既に360度評価を取り入れている企業がいらっしゃれば、最低でも評価する項目を見直すか、むしろ撤廃することを強くお勧めします。

会社や組織運営において評価制度自体は無くてはならないものです。しかし、使い方を間違えるとデメリットにもなりえるということをご理解いただけたのではないでしょうか?