また、部下が上司を評価するとなれば、上司は責任をカバーする立場でありながら、部下に気を使い、遠慮をしてしまい指示命令ができなくなります。そうなると本来の上司としての役割を果たしづらくなります。

部下を成長させるためのルール設定や指示において、部下の顔色を伺ったり、嫌われたらどうしようという余計な心配事も増えます。

360度評価の使い方とは?

360度評価のメリットを正しく理解しましょう。何も360度評価が全てNGだと言いたいわけではありません。仕事をする上で、自身が周りからどのように見られているかを知ることは大事です。自分自身では気づきにくい強みや弱みを、他者からの評価によって把握することは重要です。

仮に360度評価を使うのであれば、最低でも評価する項目を定めておきましょう。評価する人の主観で判断しては360度評価自体も意味をなさなくなります。

内容としては下記のような項目です。

「職場のルールやマナーを守れている」 「相手を不快にさせるような言葉遣いをしていない」 「意見の異なる同僚に対して否定から入らずに会話が出来ている」 「コミュニケーションを取るにあたってわかりやすい言葉で説明している」

なお、本人にしかわからないような判断が難しい項目はNGです。

「モチベーションを持って業務に取り組んでいる」 「責任感を持って業務に取り組んでいる」 「仕事を通じて新しい知識を身に付けている」 「新しいことにチャレンジしている」

せめて〇、✕で判断できる項目を評価項目に設定しなければいけません。

改めてですが、360度評価を取り入れる場合には、あくまでも自己分析としてのツールとして取り入れてください。自分自身が出来ていると捉えている事と、他社から見て出来ていないと捉えている事のすり合わせ程度にしておくことです。ましてや360度評価によってその人のお給料や待遇面が変わってしまうことはNGです。

大前提、結果で評価をすること