黒坂岳央です。

世の中には特定の仕事でのみ効果的な技術と、あらゆる仕事で共通して役に立つ技術がある。今回論じるのは後者だ。個人的に良かったと感じるビジネススキルを取り上げたい。

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1.発信スキル

自分にとって最も役に立ったものが発信スキル、すなわち記事執筆、動画制作、講演でのトークだ。

日本人であれば誰しも読み書きをしたり、人前で話した経験を持っているはずだ。しかし、「友達や社内の同僚相手にできるレベル」と「不特定多数の視聴に耐えうるレベル」では天地ほど差がある。日頃、友達や会社の同僚にLineやメールをしている人も、特定のテーマに対し自分の意見を論理的に主張することは非常に難しい。いざ書こうとしても、何を書けばいいかわからない。自分の意見を書いているつもりでも、主張がいったりきたりブレて結局、何がいいたいかわからない文章になりがちだ。

尚、トークとなるとさらに顕著である。部屋にスマホを立てて撮った動画で10分間以上、集中して聞ける話をしたり、冠婚葬祭のスピーチで聞いている人を唸らせることは日頃から訓練を積んでいない人がやってのけることはほぼ不可能である。試してみたい人はYouTubeチャンネルを作り、10分間ほど話す動画を投稿してみるといい。9割以上の人は視聴維持率10%を超えることはできない。

この発信スキルの価値の本質は「拡張性」である。駅前の人の往来が激しい場所で声を上げたり、会議室を借りて地元の人を10数人集めても伝えられる相手の数はたかが知れている。しかし、インターネット上に記事や動画を出せば数千、数万人に声を届ける事ができてしまう。

この記事を寄稿しているメディアでも、過去に1記事で150万PVに到達したこともあるし、YouTube動画でも1動画で数十万回再生になったこともある。記事や動画からビジネスオファーにつながることは多い。さらに記事や動画は24時間365日休み無しで動き続ける。自分が寝ている間もだ。