【3】実はJR四国には交通系ICカードがない!

日本国有鉄道は1987年に「JR」と名前を変え、旅客部門は6社に分割民営化されました。そして、現在ではJR東日本やJR東海、JR西日本はもちろん、赤字路線を抱えるJR北海道でさえ交通系ICカードを独自に発行&運用しています。

しかし、このJR6社のなかでただ1社だけが交通系ICカードを発行していないません。それが「JR四国」です。実は、JR四国では無人駅や自動改札がない駅も多いといった事情もあり、2024年7月現在でも独自の交通系ICカードを発行していないんですね。

どこまで知っている? SuicaやPASMOなどの交通系ICカードのトリビア7選
(画像=こちらがJR四国公式サイトで公開されている「ICOCAガイド」。交通系ICカードの利用可能駅が図になっていますが、岡山と四国を結ぶ瀬戸大橋を渡った香川県の一部しか対応していません(画像はJR四国公式サイトより引用)、『オトナライフ』より 引用)

現在、JR四国で交通系ICカードが利用できるのは20駅ほどありますが、それぞれの県の中心都市にあるJR徳島駅、JR高知駅、JR松山駅ですら交通系ICカードには非対応となっています。

どこまで知っている? SuicaやPASMOなどの交通系ICカードのトリビア7選
(画像=こちらはJR高知駅です。自動改札があるので交通系ICカードが使えそうに見えますが、実は交通系ICカードをタッチする部分がないんです!(筆者撮影)、『オトナライフ』より 引用)
どこまで知っている? SuicaやPASMOなどの交通系ICカードのトリビア7選
(画像=2022年に撮影したJR徳島駅ですが、こちらは自動改札すらありません。初めて見たときは驚きましたが、同時に懐かしさも感じました(筆者撮影)、『オトナライフ』より 引用)

もちろん、このことは四国在住の人や鉄道ファンにとっては常識なのですが、全国的には意外と知られていない事実なのです。もし、四国への旅行で電車移動される場合はSuicaやICOCAなどの交通系ICカードが使えない地域が多いことは覚えておきましょう。

ちなみに、香川県にある高松琴平電鉄では全線で交通系ICカードに対応しており、自社発行の「IruCa」という交通系ICカードも存在します。しかも、高松琴平電鉄では交通系ICカード10社と連携しているので、SuicaやPASMOなども問題なく使うことができるんですよ。

また、愛媛県松山市に本社がある伊予鉄グループでは、自社で交通系ICカード「ICい~カード」を発行していますが、2025年9月にはJR西日本のICOCAを導入することになり、サービスを終了する予定です。

どこまで知っている? SuicaやPASMOなどの交通系ICカードのトリビア7選
(画像=こちらは道後温泉で有名な松山市内を走る伊予鉄の路面電車。交通系ICカードは自社の「ICい~カード」のみ対応で、観光客は現金かジョルダンモバイルチケットの1~4DAYパス等を利用することになります(筆者撮影)、『オトナライフ』より 引用)

【4】交通系ICカードの隅のくぼみは目が不自由な人が分かるようにするため

交通系ICカードの隅には“くぼみ”があるのをご存じでしょうか? 実はこのくぼみには、ひとつのものと2つのものがあります。

まず、くぼみがひとつしかない交通系ICカードは、定期券などで使われるいわゆる「記名式カード」で、本人しか使えません。次に、くぼみが2つある交通系ICカードは「無記名式カード」で、誰でも自由に利用できる代わりに、紛失した際の保証が受けられないタイプとなっています。このくぼみに違いがあることで、目が不自由な人でも、どちらか区別がつくように工夫されているんですね。

現在、JR東日本の首都圏エリアでは、新規の無記名式Suicaの発行を停止しているため、記念Suica以外ではくぼみが2つあるSuicaを入手するのが難しくなりました。

どこまで知っている? SuicaやPASMOなどの交通系ICカードのトリビア7選
(画像=東京駅開業100周年記念Suicaは、くぼみが2つある無記名式Suicaです。首都圏ではこのような記念Suica以外では、くぼみが2つあるタイプの入手が困難になっています(筆者撮影)、『オトナライフ』より 引用)