それでも韓国では、ハイパーチューブと呼ばれる韓国型ハイパーループの開発が予定されており、2040年の導入を目指しています。
そして中国では、ハイパーループとはやや異なるものの、その流れを汲みつつ、最高速度「時速1220km」をはるかに凌駕する別の鉄道プロジェクトが立ち上がっています。
それが、減圧チューブの中を磁気浮上によって走る「T-Flight」です。
減圧チューブ内を走る「時速4000kmの磁気浮上式列車」
リニア中央新幹線(リニアモーターカー)では、車両に「超電導磁石」が取り付けられており、線路の側壁には「推進コイル」と「浮上・案内コイル」が設置されています。
これらが吸引・反発する作用を用いて車両を10cm浮かせたり、推進させたり、車両を線路の中央に位置するよう誘導したりするのです。
このような磁気浮上式鉄道では高速移動が可能になり、騒音や振動も少ないというメリットがあります。
そして現在中国が開発している「T-Flight」では、ハイパーループのような減圧チューブの中を、磁気浮上式で走行させます。
減圧チューブの中は大気がほとんどない(推測では、地上の気圧の7%程度)ため、空気抵抗が大きく低減されます。
また、磁気浮上式であるため摩擦による抗力や熱も抑えられるでしょう。
これにより2024年2月には、テスト第一段階としてT-Flight試作機が2kmの距離を時速623kmで走行することに成功しました。
また、このテスト中では減圧関連のシステムを含む、すべてのシステムが正常に動作することも確認されたという。
試作機の段階とはいえ、既にリニア中央新幹線を越えたスピードに達していますね。