井上さん:極端な話ですが、成長したい人は「自分が成長できるプロジェクトをやりたい」と言ったりします。たとえば、「英語力を伸ばしたいので、英語を使えるプロジェクトをやらせてください」などですね。
一方で、貢献を意識している人は、そういった選り好みはあまりしません。任されたプロジェクトを精一杯がんばるでしょう。
―――面談などで「どんな仕事をしたいか」と聞かれることも多いと思います。どんな仕事だと自分が一番貢献できるか、それを見つける方法はありますか?
井上さん:なかなか難しい問題ですが、「○○をできるようになりたい」という自分の願望ではなく、「役に立ちたい」という貢献の気持ちで仕事をしていれば、会社やチームで自分が何を求められているのかがだんだんわかってくると思います。
もしわからない時には、「直属の上司の役に立つ」ことに集中するといいと思います。自分の仕事を見た上司の反応を観察していけば、自分がいちばん貢献できる仕事が、徐々に見えてくるでしょう。
会社やチームを好きになることが大切?
―――「貢献したい」という気持ちになるには、会社やチームのことが好きでないと、なかなか難しい気がします。
井上さん:それは非常に大事です。貢献したいという気持ちは、その会社やチームが好きであればあるほど生まれやすいものでしょう。
そのためにも、カルチャーフィットが重要になります。価値観や文化が合っている会社の方が好きな気持ちも強化されやすいですし、評価もされやすいので自信を深めやすく、結果、パフォーマンスも出しやすくなります。
―――「この会社は自分に合うはず」と思って入社したら、思っていたのと違ったというパターンも多いと思うのですが、カルチャーフィットする会社を見つけるためのコツはあるのでしょうか。
井上さん:実際には、なかなか難しいと思います。
一言に「カルチャー」と言っても、「会社全体のカルチャー」と「部署やチームのカルチャー」が同じとは限りません。むしろ、違うことの方が普通だったりします。ですから、会社全体のカルチャーが自分に合っていると感じても、配属された部署やチームのカルチャーは全然違った、ということは起こりえます。上司やチームリーダーが変わった途端に、カルチャーが変わることもあるでしょう。