若手のうちは特に「成長したい」という意欲が高いもの。しかし、『幸せな仕事はどこにある 本当の「やりたいこと」が見つかるハカセのマーケティング講義』を6月に発売し、国内外の企業でマーケター・新規事業担当として活躍する井上大輔さんは、「成長意欲が強すぎると、逆に成長しづらい」と語ります。その理由とは?

インタビュー後編では、成長したい人ほど成長しづらいジレンマや、成長する人の共通点などについてお聞きしました。

成長したい人ほど成長しづらいジレンマ

―――「成長したい」と思っている若手ビジネスパーソンへのアドバイスをお願いします。

井上さん:成長する人には、ある共通点があると思っています。

それは「貢献を意識している」という点です。目の前のチームや会社に「貢献しよう」と思っている人のほうが成長し、自分が「成長しよう」と思っている人は、逆に成長しづらいーーそんなジレンマがあるのではないでしょうか。

なぜかというと、成長の機会は、貢献を意識している人に、より多く巡ってきやすいからです。

人が成長する機会は大きく「書籍などでの学習」「人からのフィードバック」「実務経験」の3つに分けられると言われています。その貢献度は「1:2:7」、つまり書籍などの学習が10%、人からのフィードバックが20%、実務経験が70%だそうです。「実務経験」の比重が高いわけです。

では、職場で「成長したい」と言っている人がいたとして、重要なプロジェクトという大きな「実務経験」を積む機会を任せてもらえるでしょうか? それよりも「貢献したい」という意識が強い人に任せたいと思うのが人情でしょう。「貢献したい」という人に、より多くの成長機会がめぐってきやすいのには、こういう理由があるのです。

貢献を意識している人はこんな行動をする

―――成長したい人と、貢献したい人の具体的な行動の違いはありますか?