2011年にハワイのケック望遠鏡が行った観測により、土星の環を構成する粒子が土星に降り注ぐペースが明らかになりました。

その研究によると、土星の環は1億年以内に消滅すると予測されています。土星の環の形成自体が数億年前という説と合わせて考えると、土星のような見事な環の寿命は、そもそもそれほど長くないのかもしれません。

このため将来的には土星の環も天王星や海王星のように暗く希薄な環になり、地球から見えなくなるかもしれません。

土星のシンボルでもある環は、遠い未来まで変わらず存在しているように思えますが、意外と近い将来消えてしまう運命にあるようです。

土星は水に浮く?

土星は太陽系で唯一の「水に浮く惑星」です。

土星は太陽系で最も密度が低い惑星で、その平均密度は水の約0.7倍です。つまり、土星を十分に大きな水槽に入れれば、プカプカと水面に浮かぶことになります。

水に浮く土星
水に浮く土星 / Credit:創造情報研究所

土星が水に浮くほど密度が低い理由は、土星が主に軽い元素の水素とヘリウムでできたガス惑星だからです。

木星や地球などの他の惑星は、密度の高い岩石や金属を多く含むのに対し、土星はガス状の水素とヘリウムが圧縮された構造になっているのです。したがって、土星は唯一の「水に浮く惑星」と言えます。

もちろん土星が入るほどの水槽はありませんが、土星の平均密度と同じ密度の物体を水槽に入れれば、その物体は水よりも密度が低いので水面上に浮かぶことになるのです。

同じガス惑星でも木星は水に浮きません。木星の密度は、水の密度の約1.3倍です。木星は土星の3倍以上の質量があり、その重力で中心部のガスが圧縮されているため密度が高くなっています。

また、天王星と海王星の平均密度も木星と同程度です。木星や土星はほとんど水素やヘリウムなどのガスで構成されていますが、天王星と海王星は内部に含まれる岩石や氷の割合が高いため、密度が大きくなっています。

太陽系で最も多くの衛星を持つ惑星