億万長者はベンチャー企業から大きな利益を得ていますが、他のアメリカ人も同様なのです。彼らの会社は数百万人の労働者を雇用しています。消費者は彼らの製品を楽しんでいるのです。そして、その企業に直接あるいは投資信託や退職金口座を通じて投資している他の人々は、最終的にその企業の利益のほとんどを手にすることになります。最も裕福な億万長者がその会社から1ドルの富を得るごとに、7ドル が他の投資家に入るのが普通です。

また、アメリカの富裕層の税金は、連邦政府のかなりの部分を賄っています。政府の試算によれば、2024年には上位0.1%の高所得者は下位90%の合計よりも多くの連邦所得税を支払うことになります。

富裕層をさらに苦しめ富の再分配を望む社会主義者たちは、アメリカの富裕層からどれだけ搾り取れるかを過大評価し、それが経済やアメリカの起業家精神にもたらす害を過小評価しています。紙の上では、フォーブス誌の「アメリカの最も裕福な400人」の価値は合わせて4兆5000億ドル、つまり国家債務の約13パーセントに相当します。しかしその富は不安定なもので、彼らの会社に縛られているだけではありません。彼らの富はそれらの企業の分け前なのです。

企業の市場価値は、主に現在保有している資産から構成されているのではなく、企業が将来生み出すことができるであろう利益に対する投資家の期待から生まれています。 言い換えれば、企業の市場価値のほとんどは、その企業がまだ生み出していないものに基づいているのです。

政府はまだ存在していないものを奪うことはできません。さらに悪いことに、裕福な企業経営者への過酷な課税は、金の卵を産んだガチョウを殺してしまう危険性があります。あるいは、少なくともそのガチョウを追い払うことになるでしょう。

自称社会主義者の政治家が「億万長者は存在すべきではない」と言うとき、それは単に「そのようなイノベーションは存在すべきではない」という意味なのです。成功を悪者扱いし、成長とイノベーションを窒息させる社会になることは、許されないことです。