私自身は、超過死亡の主因はワクチン関連死(直接死+間接死)と考えています。2022年の超過死亡の増加に関しては、私は以下のような論考を公開しています。

アルファ株・デルタ株では間質性肺炎による直接死が多く、オミクロン株では持病の悪化による間接死が多いという特徴がありました。インフルエンザの場合、年間の直接死は2000~3000人、関連死が約10000人です。したがって、インフルエンザの間接死は直接死の2.3~4.0倍となります。間接死の多いオミクロン株の場合、インフルエンザのように間接死が直接死の2.3~4.0倍存在していたとしても不思議ではありません。つまり、間接死が多い感染症の方が超過死亡に与える影響が大きい可能性があります。そして、間接死の一部が何らかの理由でコロナ死として報告されなかった可能性があるわけです。

持病の悪化による間接死が多いオミクロン株では、コロナ直接死(肺炎による死亡)の2.3~4.0倍の間接死が存在することは有り得るという考え方です。間接死者数を正確に捕捉することは実際にはかなり難しいのです。そのため、間接死者数を推定するために超過死亡という概念が考案されました。

宮沢氏の仮説は、この間接死の増加に、コロナワクチンの頻回接種が関与しているのではないかという主張です。確かに何らかの影響があった可能性は完全には否定できません。

間接死を増加させるメカニズムについては、新書には次のように記述されています。

私が主張しているのは、呼吸器であまりウイルスが増えておらず(呼吸器症状を伴わずに)、他の臓器や組織でウイルスが増えて、その結果、感染者がダメージを受けるというものです。新型コロナウイルスの感染が疑われたとして、鼻咽頭のぬぐい液を用いてPCRを行ったとしても、腸管のみで増えている人は陰性になってしまいます。その場合はあくまでも肛門スワブ(糞便)サンプルからのPCRをしないと感染しているかはわかりません。