図5が2022年のカナダの相手国別対外直接投資残高です。

カナダの場合はアメリカへの対外直接投資が圧倒的ですね。対アメリカだけで52%ものシェアになります。

続いてバミューダ諸島やバルバトス等の周辺地域や欧州地域が多いようです。

日本に対しては17億ドル程度で、41番目とかなり小さな投資規模となります。

6. カナダの対内直接投資残高

次がカナダの相手国別対内直接投資残高です。

図6 対内直接投資残高 2022年 カナダOECD統計データより

図6が2022年のカナダの相手国別対内直接投資残高です。

やはりアメリカが圧倒的で約半分を占めますが、続いてカナダ(7%)、イギリス(6%)、日本(3%)、中国(3%)と続きます。

ここでも日本は一定の存在感があるようですね。

7. 先進国の相手国別直接投資の特徴

今回は、直接投資の規模の大きいオランダ、イギリス、カナダの3か国について、相手国別の対外・対内直接投資残高をご紹介しました。

基本的に各国とも、相手国別に見ても双方向的な直接投資が基本となっているように見受けられます。

概ね対外直接投資残高の上位国は、対内直接投資残高の上位国となっていますね。

日本に対しては、直接投資が活発などの国も対内直接投資の上位国となっていますが、対外直接投資では上位国から外れています。

日本は自国に投資する存在だけれども、投資をする相手ではないといった見方もできるかもしれませんね。

日本は対外純資産が世界一という言われ方をしますが、実態を見てみると他国に投資ばかりしていて、他国からの投資が極端に少ないため、差引の純資産が多くなるという事のようです。

これは喜ばしい事なのかどうかは私にはわかりませんが、片思い的な印象を受けたのが正直なところです。

双方向的に投資を行って合理化を図るのがスタンダードなグローバル化だとすれば、日本は異質なグローバル化が進んでいると言えそうです。