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直接投資の多いオランダ、イギリス、カナダについて、相手国別の対外直接投資残高、対内直接投資残高を統計データにより可視化してみます。

1. オランダの対外直接投資残高

前回は、日本、アメリカ、ドイツの相手国別直接投資のシェアについてご紹介しました。

アメリカにとってもドイツにとっても、日本は対内直接投資では大きな存在感ですが、対外直接投資では上位国に入りません。

各国に対する日本の立ち位置の非対称さが良くわかりました。

直接投資では、アメリカ、ドイツ以外にも、オランダ、カナダ、イギリスの規模が大きい特徴です。この3国は近年ではドイツを上回る対外・対内国設投資残高に達しています。(参考記事:日本の直接投資は少ないのか?)

今回は、この3国の相手国別直接投資のシェアに着目し、それぞれの国で日本がどのような存在なのかを確認していきたいと思います。

まずは、直接投資ではアメリカに次いで規模の大きいオランダからです。

オランダは直接投資の規模だけでなく、パートタイム雇用率や、企業の純金融負債が減っている点等、先進国の中でも特徴的な国ですね。

図1 対外直接投資残高 2022年 オランダOECD統計データより

図1が2022年のオランダの相手国別対外直接投資残高です。

上位国はイギリス、アメリカ、スイス、ドイツと欧米諸国が並びます。

アジア圏ではシンガポールが入っていますが、基本的には欧州中心に投資をしている事がわかりますね。

日本は400億ドルで、20番目の水準です。

アメリカよりもイギリスに多く投資しているのが特徴的ですね。また、スイスへの投資もかなり多いようです。

2. オランダの対内直接投資残高

続いて、オランダの相手国別対内直接投資残高です。

図2 対内直接投資残高 2022年 オランダOECD統計データより

図2が2022年のオランダの相手国別対内直接投資残高です。