■財務省「券種間の識別を容易に」
旧・千円札(肖像:野口英世)の表裏で「1」の字体が異なる理由について、財務省担当者は「デザインによるものです」と説明。
なお、そのさらに1世代前の千円札(肖像:夏目漱石)、および現行の新紙幣(肖像:北里柴三郎)は表裏で同一の字体となっているため、「毎回デザインを変えている」というワケではなさそうだ。
旧紙幣の一万円札と千円札で数字の字体が異なる点については「字体を変えることで、券種間の識別が容易になることをねらいとしたものです」との回答が得られ、今回の新紙幣と同様の施策であることが判明した。
話題のポストに寄せられた声の中には「旧紙幣は字体の違いに違和感が少なかったから許せる」という意見も散見されたが、ここがユニバーサルデザインの難しいところ。
確かに「違和感の有無」という点で見れば旧紙幣のデザインに軍配が上がるかもしれないが、「券種の違いがひと目でわかる」という点で見れば新紙幣のほうが優秀である。
事実、従来の紙幣のデザインの違いに20年間気づかなかった人が多い一方、新紙幣に関してはデザイン発表初日から多くの人が違和感を覚える(=ひと目で券種の違いが分かる)事態となっていた。
そういう意味では、新紙幣のデザインは(慣れるまで)否定的な意見も少なくない一方、ユニバーサルデザインとしては「大成功」と言えるだろう。