■なぜかこの日、店内は値引きシールだらけ

さて、別に狙ってスーパーに来たわけではありませんが、そこは私も経済評論家です。店内の様子を見てすぐにピンと来ました。「アレだ」と。

今日に限っていえば、マカロニサラダにもポテトサラダにもどちらも大幅な値引きシールが燦然と輝いています。それだけではありません。焼鳥、エビの天ぷら、鶏のから揚げ、フランス料理のシェフが開発したかと思える洋風弁当に至るまで、何でもかんでも値引きシールです。それも10%引のレベルではない高額割引のシールばかり。今日、来店した客は皆、幸せそうです。

では、なぜそんなことが起きているのでしょうか。思い起こせばその日、私は結構酷いめにあっていました。外出先でゲリラ豪雨に降られて、事務所に戻る頃には全身びしょびしょに。この日、天気予報によれば首都圏の大気は不安定で、前日の予報と違って気温が急激に下がった上に、地域によっては一日中寒い雨が降り続いていたのです。

■普段来るはずの客が…

そこで値引きシールの話です。スーパーでは惣菜の仕込みを考える際に天気予報を非常に重視します。

お店が賑わいそうな天気のいい日は多めに、そして雨の日は少なめにという考え方です。ところが問題はその予報が変わってしまった時。それも予想していた天気と、当日の天気が大幅に違っていた時は悲惨です。

普段ならスーパーに立ち寄っていたお客さんの多くが、思わぬ寒気と降り注ぐ冷たい雨のせいで、駅を降りると傘をさしたまま足早に家路についてしまう。その日はそんな天気の日でした。