ウルトラ・シリーズは「最も派生テレビシリーズが作られたテレビ番組」としてギネスブックにも登録されており、今なお記録を更新中という、日本が世界に誇るコンテンツである。
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初代の本放送が行われていた1966年の日曜夜7時といえば、全国の子供たちはどんなに楽しい遊びをしていようとそれまでに帰宅し、テレビにかじりついた魔法の時間であった。キャラの立った科学特捜隊隊員のメンバー5人と、これまた個性豊かな怪獣達がおりなす、シリアスながらも時にコミカルな表現を交えたドラマは毎回目先を変え、およそ見飽きるということがなかった。
シリアスさでシリーズ1、2を争うエピソード「故郷は地球」は12月18日に放映されたが、子供向けとしてはかなり重く、深いテーマであった。
この回に登場したジャミラという怪獣の正体は、宇宙開発競争の時代に某国が打ち上げた有人衛星に搭乗していた宇宙飛行士である。彼の衛星は軌道を外れ、水のない苛酷な環境の惑星に流れ着いた結果、怪獣へと変貌して自分を見捨てた地球に復讐しに現れたのだった。ジャミラの断末魔や悲しい唸りは人間の泣き声にも似て、今でも脳裏に焼き付いてトラウマになっている人もいるかもしれない。
だが、このジャミラのような扱いを受けた宇宙飛行士が本当にいたとしたら、皆さんはどう思われるだろうか。