■動く丸太に近づくと……!

 その日は大雨が降り、三島市は山間部にある自分の田が気になって、昼食を終えると鍬や鎌などの農具を入れた籠を背負って山道に入った。すると大きな丸太のような物が、道を横切って置いてあった。

「この雨の中、変ないたずらをする奴がいるもんだ」

と不審に思いながら近づいてみると、丸太のようなものが動いていた。それは大きなヘビの胴体で、十円硬貨大のウロコまではっきり見分けることができた。籠には刃の部分の長さ30センチほどの鍬が入っていたので、それを胴体の横に置いて比べると、その直径は鍬より3センチほど小さいだけであった。つまり直径27センチほどの胴体を持つ巨大なヘビということになる。

 頭の方はもう草むらの中にあったので全体の長さは不明だが、三島氏の目の前を通りすぎた部分だけでも5、6メートルはあったという。

 恐ろしく思いながらも、田の水量を調整し、飼っている牛の飼料として草を少しばかり刈ったが、どうにも恐ろしくなってすぐに帰宅した。

 家で出迎えた三島夫人は、夫の顔色がただ事でないことに気付いた。夫から大蛇を見たのだと聞くと夫人は、大蛇の這っていった方向に知り合いの田があることを思いだした。直ちに、当時町にあった有線電話でこのことを知人に知らせ、危ないから田には行かないよう伝えた。

 翌日、三島夫人が近所の住民と一緒に現場を見に行くと、地面には大蛇の這った跡のようなくぼみが、一本の筋となって残っており、草もヘビが向かった方向に倒れていた。

 ところが話はこれで終わらなかった。三島氏の祖母がこの話を聞くと、なんと自分も大蛇を見たことがあると白状したのだ。

異世界へのゲートが広島・福山に存在!?知られざるUMA「蛇円山の大蛇」郷土史に記された50年前の恐すぎる目撃談を暴露
(画像=イメージ画像 Created with DALL·E,『TOCANA』より 引用)