富裕層に近づくための3つのステップ
世間は夏休みシーズンに入りました。昨今の円安や物価高で旅行の計画を海外から急遽国内に切り替えた人もいるかもしれません。
日本でもおよそ3%存在すると言われている「富裕層」ですが、彼らは休みのシーズンをどのように過ごす予定なのでしょうか。
今回は、最新の意識調査から日本をはじめとしたアジアの富裕層の休暇に焦点を当て、彼らの「ラグジュアリートラベル」での過ごし方をみてみましょう。
【写真3枚】日本における富裕層の割合を図表でチェック
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富裕層たちは休暇をどう過ごす?旅行先に求める体験とは
マリオット・インターナショナル(本社:米国 メリーランド州、代表取締役兼CEO:アンソニー・カプアーノ)は、日本や韓国などをはじめとした6カ国、1202名の富裕層を対象に、ラグジュアリー・トラベルに対する意識調査を実施しました。
調査概要は以下の通りです。
<調査概要>
- 調査機関:マリオット・インターナショナル・ラグジュアリー・グループ
- 調査期間:2024年4月18日(木)~2024年5月13日(月)
- 調査対象:オーストラリア、シンガポール、インド、インドネシア、韓国、日本の住民のうち最も裕福な10%、各市場200人
- リリース公開日:2024年7月16日
アジアの富裕層は長期休暇で平均「2~3週間」の旅行へ
調査によると、アジア太平洋地域を対象とした富裕層のなかで、実に68%の回答者がレジャー旅行の予算を増やしており、74%がアジア太平洋地域内で旅行を計画していると回答しました。
なかでもインドはもっとも活発に旅行を検討しており、回答した富裕層の89%がレジャー旅行への支出を増やし、年間を通して平均6回の旅行を希望しているとのこと。例えば短期旅行は平均で3〜4泊、長期休暇は2〜3週間にも及びます。
ちなみに「長期休暇をもっとも長く取得する可能性が高い」のはオーストラリア人という結果で、オーストラリアでは勤務初年度から最低でも「4週間」の年次休暇が認められています。
このため73%の回答者が最低2週間、33%の回答者が3週間以上の休暇を計画しているとの結果が出ました。
厚生労働省「2023年就労条件総合調査」によると、日本の労働者の年次有給休暇の取得率は62.1%となっており、このうち労働者が取得した日数は平均10.9日で、オーストラリアの水準には遠く及びません。
日本と比較して長期休暇を取りやすい風土が、旅行での長期滞在の意欲を後押ししているのかもしれません。
アジアの富裕層はガストロノミー(食事)体験を重視する
調査によると、回答者の62%以上が母国の料理よりも「馴染みのない地元の味を探求することを好む」と回答しました。
近年、日本の観光庁でも「ガストロノミーツーリズム」が推進されています。
聞き慣れない言葉かもしれませんが「ガストロノミー」とは、その土地の気候風土が生んだ食材・習慣・伝統・歴史などによって育まれた食を楽しむことを指します。
つまり、食を通じてその土地の文化に思いを馳せることが「ガストロノミー」というわけです。
調査によると、富裕層旅行者がホテルを選ぶ際、その81%が「良い食事体験ができるかどうか」を重視するようです。
観光庁が7月19日に公表した「インバウンド消費動向調査」によると、訪日外国人旅行者の飲食費は2024年4-6月期で4655億円となっています。
これは宿泊費や買い物に次いで多い金額となっており、アジア圏の富裕層が訪日した際には「ガストロノミーツーリズム」によって、経済効果を最大化できるかどうかがキーワードになってくるかもしれません。