緑が減ることは事業者の利益に反する

 大手不動産会社社員はいう。

「施設に落書きをしたり株主総会を妨害するというのは違法行為に該当する可能性があり、伊藤忠としては業務上の損害が増えているということで声明を出したのだろう。加えて、グローバルで事業を展開する総合商社ゆえに、特に欧米では環境破壊というSDGsに反する行為を行っていると認識されるとビジネスに実害が生じるので、本プロジェクトは緑の保全を目的としているという強いメッセージを出しておく必要があるという経営判断があったと考えられる。プロジェクトに参画する事業者としては、多くの企業・人をひきつける魅力のあるエリアを創出して経済的な利益を得る必要があり、そのためには『緑あふれる神宮外苑』という要素は絶対的に維持すべきポイントとなる。よって、緑が減ることは事業者の利益に反するため、基本的には緑を維持・増加させようというモチベーションが働く」

 別の大手不動産会社社員はいう。

「世論や報道、そして都知事選の一部候補者の主張では『樹木の伐採=悪』というイメージが協調されているが、緑の維持には多額の資金が必要で、かつ将来にわたり継続的かつ安定的に資金を確保する必要がある。その点を東京都もあまりきちんと主張せず、またメディアでも焦点を当てられないため、伊藤忠が業を煮やしたということでは」
(文=Business Journal編集部)

提供元・Business Journal

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