■もしも世界からカエルが消えたら…
そんなカエルがこの世からいなくなってしまった場合、我々の世界はどうなってしまうのだろうか…。こちらの疑問に対し、白輪氏は「人為的な方法でカエルを駆除した場合」と「カエルが自然と消失した場合」の2ケースを想定している。
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前者の場合であれば「カエルのみ」を駆除する都合の良い方法など当然あるワケもなく、薬品などを使用すれば農作物や他の生物にも被害が及んでしまう。
後者の場合も、カエルがいなくなるとカエルを捕食するヘビ類がいなくなり、そうするとヘビ類を捕食する鳥類がいなくなり…と、生態系への大きな影響が考えられるのだ。そして当然、人間が病気になるリスクも増加してしまう。
白輪氏は、田んぼの食物連鎖におけるカエルの立ち位置を「非常に重要で絶妙な、替えがきかない存在」と強調している。それだけに、今回話題となった張り紙を見た際は落胆の気持ちが強く、「少なくとも、カエルが住んでいるところに、人間が引っ越してきたワケですから、先住民に『うるさい』と言っても仕方がないでしょう」「そんなことを言われる田んぼの持ち主も気の毒ですが、そうしたクレームがあり得る世の中になったことを、残念に思います」と、胸の内を語ってくれた。
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白輪氏が代表理事を務める日本爬虫類両生類協会は、爬虫類・両生類の愛護や、適正な飼養管理に関する知識等の普及啓発を目的とし、日々活動している組織である。
じつは「動物愛護法」において、哺乳類、鳥類、爬虫類に属する動物は対象となるにも関わらず、両生類は対象外となるのが現状。そうした苦境ある両生類のため日々活動している白輪氏にとって、今回話題となったクレームのような事例は、本当に理不尽に感じられることだろう。
「鳴き声が全く気にならない」といえば嘘になる人もいると思うが、カエルが鳴き続けるのは年間を通じてもこの時期だけ。万が一、カエルの鳴き声にストレスを感じることがあった際は、カエルのもたらす偉大な恩恵を今一度思い出してほしい。
(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)
提供元・Sirabee
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