■「優しい世界」と称賛相次ぐ
「情報量の欲張りセット」ともいうべきエピソードはネットユーザーに大きな衝撃を与え、件のポストは投稿から数日で5,000件以上ものリポストを記録するほど。
他のXユーザーからは「クロイヌヤマトやないか!」「情報量が多すぎて理解が追いつかない」といったツッコミが続出。また、ヤマト運輸の神対応に対しては「ヤマトの配達員さんは、優しい人が多い印象です」「クロネコさんは犬にも優しいんだ」「ワンちゃんが良い人に助けてもらってホッとしました!」など、称賛の声が多数寄せられていた。
果たして、どのような経緯でこうしたシチュエーションが生まれたのだろうか。ポスト投稿主と、ヤマト運輸に詳しい話を聞いたところ、あまりに素晴らしすぎる「舞台裏」が明らかになったのだ。
■登場人物、全員善人
ポスト投稿主・ブルータルファーマーさんは、ことの経緯について「毎日野菜の出荷でヤマトさんに大変お世話になっており、今回の配達員のお兄さんとは知り合いです」「また、偶然その日は製麺屋さんに玄麦を納品してうどんを作ってもらうため、重量物で契約している佐川さんがお昼前に集荷に来ていました。佐川のお兄さんも地元の方で、何年も前からお世話になっています」と説明する。
つまりブルータルファーマーさん自身は元々、2社のドライバーと顔馴染みだったのだ。
佐川の担当者と共に集荷作業に勤しんでいると突如、犬を連れたヤマトの配達員が登場。その際、ブルータルファーマーさん一家は「知人の家の犬に似ている」と感じたそうだ。
ヤマトの配達員は付近をトラックで走行中、長いリードを引きずりながら歩いている犬を発見。放っておけなくなり、その場で保護したという。そして「この時間帯、確実に人がいる」と確信し、顔馴染みのブルータルファーマーさんの家に犬を連れてやって来た…というワケである。
犬に心当たりのあるブルータルファーマーさん家族だが、過去に犬を飼った経験がないため、ヤマトの配達員と共にややパニック状態に。すると、佐川の配達員がこのタイミングで覚醒。「おれの家、犬飼ってるんで」と親切に、犬を保護した際のアドバイスをしてくれたのだ。
その後は心当たりのある家族との連絡がつくまで、ブルータルファーマーさん家で犬を保護することに。数時間後には先方との確認がとれ、犬は無事に飼い主の元へと帰っていったという。
ブルータルファーマーさんは当時の様子について「(犬は)飼い主さんを見るととても喜んで、リードを外す背中に飛びついていました。私はちょっとだけウルッとしました」と振り返っており、聞いているこちらまで目から汗が…。
一連の救出劇は佐川の配達員、ブルータルファーマーさんの家族と、役者が1人でも欠けていたら成功しなかったが、MVPを1人あげるとしたら、やはりヤマトの配達員になるだろう。
ブルータルファーマーさんも「とにかく、ヤマトのお兄さんの優しさに感動しました。ここ最近(当時)、他のお兄さん方も心配になるくらいお疲れになるほど業務に追われている状況だったにも関わらず、ワンちゃんを保護した彼の純粋な優しさが素晴らしいと思いました。私だったら同じことができたか分かりません」と、登場の心境を明かしている。
続いては一連の事実確認を踏まえ、「ヤマト運輸株式会社」に話を聞いてみると…。