違法に飼育されて苦しめられるクマ
ビンによる襲撃事件を受けて、「動物の倫理的扱いを求める人々の会(PETA)」の広報担当者は、『the Daily Mail』に対して「お腹を空かせたクマをからかえば、怪我をする可能性が高い」とプロムラティーさんの行動を非難した。さらに、囲いの中で飼育されるクマは「自然で大切なものをすべて否定され、右往左往して、食べ物をねだる以外に何もすることがなく、イライラしてゆっくりと頭がおかしくなってしまい、非常に苦しむ」と説明した上で、「人間が娯楽の名目で動物を監禁している限り、世界中のクマは悲惨な状況で生き、そして死に続けるでしょう」と警告した。
そもそもタイの寺院でクマやイノシシが飼育されていること自体が問題だ。寺院で飼育されるクマなどの野生動物は、「寄贈」されることもあれば、寺院が見世物にするために購入することもある。いずれも違法だが、寺院は神聖な場所であるため、何十年間も見逃されてきたという。
ヨーロッパの動物愛護団体「ESDAW」の公式サイトでは、寺院で飼育されて衰弱したクマの写真が公開されている。体が弱り、痩せて、毛がほとんど抜け落ちてしまったクマの姿から、寺院の飼育環境がどれほど劣悪なのかを理解できるだろう。
タイだけでなく世界各地で、人間の違法な活動によってクマは生存を脅かされている。一方で、わざわざクマを刺激して襲撃される人もいる。これらの問題を一つ一つ解決することが、ヒトとクマの共存の第一歩となるに違いない。
参考:「the Daily Mail(2017年8月2日付)」、「the Daily Mail(2017年8月4日付)」、「ESDAW公式サイト」、ほか
文=標葉実則
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提供元・TOCANA
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