アメリカでは、不可解な死亡事例の多くがUFOと関係があるのではないかと言われており、それら事件の被害者の人々が「第三の存在」つまり宇宙人によって殺害された疑いがあるとする説が生まれている。

 その中には、UFO目撃後まもなく死亡した米空軍のパイロットや、「宇宙人から頭部に何か放射線を浴びせられた」というブラジル人男性などが含まれる。

 UFO研究家のナイジェル・ワトソンはこれらの不可解な死亡事例について、新しい雑誌「The UFO Files」の「Death By UFO」という章で取り上げている。ワトソンは長年にわたり世界中のUFO目撃例を調査し、その成果を複数の書籍に纏めている。

UFO・宇宙人に殺された人々は本当にいる?専門家が死亡事例への見解を示す
(画像=Created with DALL·E,『TOCANA』より 引用)

致命的な遭遇

 書籍で検証されている事例の1つが、1948年に円すい形の飛行物体の捜索を命じられた米空軍のトーマス・マンテル大尉の死である。報告によれば、第二次世界大戦の英雄だったこの25歳の大尉と他の3人のパイロットが訓練飛行中、高高度を飛行する銀色の物体を捜索するよう求められた。

「金属製の物体か、あるいは金属物体から反射した太陽光らしい。とてつもない大きさだ」とマンテルはケンタッキー州フォート・ノックスの上空から無線で報告した。

 3機がその物体に向かい、高度2万2000フィートまで急上昇した。午後2時45分、マンテルが「物体を正面に視認した。自機の半分くらいのスピードで移動している」と報告。さらに30分後にも「金属製の物体か、あるいは金属製の物体からの太陽光の反射らしい。とてつもなく巨大だ。物体はさらに高度を上げて、自機と同じかそれ以上のスピードで進んでいる」と更新した。

 間もなく、他の2機は酸素不足で離脱を余儀なくされた。しかしマンテルは高度2万5000フィートへと更に上昇を続けた。そして午後5時、彼の機体の残骸がルイビル南東のシェルビー郡で発見された。

 米空軍は当初、金星を追跡していたと主張したが、後にCIAが資金を出して打ち上げたスカイフック気球を追跡していたと説明した。しかしUFO論者らは、スカイフックの説明が1960年代後半まで公表されなかったことから、マンテルは凶暴なUFOに殺害されたと今も主張している。