死体からクローンを作ることは可能
脳をスキャンしてコンピュータ上に再構築するという話は、SFではよくテーマにされ、「アップロード」と呼ばれる。しかし現実はアップロードどころか、スキャン自体もおぼつかない。
2023年3月、イギリスのケンブリッジ大学とアメリカのジョンズ・ホプキンス大学などからなる国際研究チームが、ショウジョウバエの幼虫の神経マップを完成したと発表した。
この時点まで神経マッピングに成功したのは、線虫、ホヤの幼生、ゴカイの一種のみで、彼らの脳のニューロン数は数百しかない。これに対して、ショウジョウバエの幼虫は脳が3016個のニューロンと54万8000個のシナプスで構成されており、これまでマッピングされた中でもっとも複雑な脳神経だ。
人間の脳のニューロン数は100億〜 1000億個と言われ、そのひとつずつに約1万のシナプスが接続されている。つまりシナプスの数は軽く兆単位である。ショウジョウバエの幼虫の神経マッピングができたことはすごいことだが、それはそれとして、人間の脳のスキャンなどはるか先だということがわかるだろう。
では冷凍組織からクローンを作ることはできるのか?
2008年11月14日、独立行政法人 理化学研究所は16年間冷凍されていたマウスの細胞からクローンマウスを作ることに成功した。
シベリアの永久凍土から発見されるマンモスの死体からクローンをつくる計画が何度も立ち上がっては消えているのは、死んだ細胞からクローンを作ることが不可能だったからだ。それはまさにクライオニクスで言われている通りに、水分が凍って氷になり、細胞を破壊するためで、冷凍された細胞からクローンをつくる試みはこれまですべて失敗している。
クローンは体細胞から核を取り出し、それを卵子に移植して受精卵を作る。理化学研究所は細胞から核を取り出す際に太いピペットを使うなどして核を傷つけないようにし、移植を成功させた。
死んだ人間を長期間冷凍しておき、後からクローンを作ることは可能なようだ。その場合、生まれる子どもは自分と遺伝的には同じでも、人格は別人である。
死んで復活する、キリストのようなことは人間には当分できそうもない。
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文=久野友萬
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提供元・TOCANA
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