こう見ると小さな歪みに対して大衆が現在の状況を必ずしも満足していない場合に引き金を引き、大雪崩が起きるとも言えます。「主導者とフォロワー」というタイトルをつけたのはその両方が共振した時、それまでの常識をあっさり覆すことになると考えています。
ではそれまでの常識とは何でしょうか?金融市場で見れば「アメリカ経済は高金利下でもソフトランディングできる」と信じていたわけです。ところが実は企業ベースでは苦しみに耐えて我慢大会だった、そして決算の時に落ちこぼれ企業が発覚し、「あれ?思っていたのと違うぞ」ということになるのです。
これは専門家が作る一定のset the tone (基調)の中での話であり、その専門家の期待値をベースに実際の結果が良かった、悪かったで市場は一喜一憂するのです。我々大衆は99.9%がフォロワーであると言ってよいでしょう。そう信じさせられていただけなのです。
例えばある企業について専門家は今期10%の増益があると予想します。ところが決算で8%しか増益がないとすれば株価は崩落するのです。企業から見れば10%と予想したのは専門家であって我々は努力して8%増益になったじゃないかと。事実、多くの場合、決算発表で会社側は「We are pleased to announce ….」なのです。pleased という表現は会社側にとって喜ばしい意味で使うのです。全くずれていると言ってよいでしょう。
これが政治の場合だとどうでしょうか?選挙で自分の推した人が当選すれば期待値は合格圏内(80点かもしれないし95点かもしれません)になります。ところが期待以上の仕事をすることはほぼ難しいのです。なぜなら期待値がそもそも高いのでそれ以上のポイントゲットとなる功績が作れないのです。こうなると時間経過とともに嫌なところが目立つ、これが政権与党の支持率は時間軸と共に下がるという世界のトレンドを一応説明することができるのです。