今回、2004年以来20年ぶりとなる紙幣改刷ですが、改刷する1番の理由は「偽造紙幣防止」です。
この20年間で、民間の印刷技術は著しい進歩を遂げています。そのため、紙幣に用いられるものもより高度な技術が必要となるのです。
従来の偽造防止技術には、紙幣を傾けると表面には額面数字、裏面には「NIPPON」の文字が浮かび上がる「潜像模様」、カラーコピー機などでは再現困難な「マイクロ文字」、「紫外線を当てると表面の印象(日本銀行総裁印)などが浮かび上がる「特殊発光インキ」などが採用されてきました。
今回発行された新紙幣にも、偽造を防ぐための最先端技術が多く取り入れられているそうです。一体どのような技術が採用されたのでしょうか。さっそく、見てみましょう。
(財務省のWebサイトから引用)
まずは、「3Dホログラム」があります。ニュースやSNSなどでも話題になった、世界初の銀行券への採用技術で、ストライプ型の3Dホログラムで表現された肖像が回転するという特徴があります。
肖像の周りに施された連続模様の「高精細すき入れ」は、従来の「すき入れ」に高精細な模様を新たに採用したそうです。
また、誰にでも使いやすいユニバーサルデザインも一新され、目が不自由な人などのための識別マークは、指で触った際にわかりやすい形として11本の斜線に統一。券種ごとに位置を変えることで識別しやすくなったとのことです。
券種ごとに異なる3Dホログラム・すき入れの形や配置、額面数字の大型化も、識別のしやすさへの配慮だといいます。
新紙幣の発行にともない旧紙幣が突然使えなくなる、ということは現状ありません。ただし「法令に基づく特別な措置」は発令された場合は、使えなくなります。
現在は、これまでに発行された紙幣56種類のうち31種類がその通用力を失い、25種類が有効券となっています。
<参照>
新しい日本銀行券の発行時期について