今月刊の『倫理研究所紀要』33号(年1回発行)から、連載「現代性の古典学」を始めることにしました。初回で採り上げるのは、村上龍のデビュー作だった『限りなく透明に近いブルー』。
前に以下の記事をアップしたのは、まさに執筆中だったんですよね。そちらで書いたとおり、同作は1976年にまず群像新人文学賞を受賞。その時点で話題沸騰だったのが、まもなく芥川賞も「追い受賞」したため、記録的なベストセラーとなったことは広く知られます。
それで、できれば『倫理研究所紀要』の論文にも書きたかったのですが、行論上、泣く泣くオミットせざるを得なかった要素があるので、PRと合わせてこちらでフォローをば。
村上龍に群像で賞を出した選考委員の一人に、埴谷雄高がいました(ヘッダー写真のいちばん右)。未完の思想小説『死霊』は全共闘世代くらいまでかな? 左翼(だったことのある)青年の必読書と呼ばれた時期もあります。
鹿島茂さん(1949年生まれ)の書評が、興味深いです。