最先端技術が搭載されたドローンであれば、夜間や煙の立ち込める視野が悪い状況でも自律飛行が可能。水や消火剤を上空から散布する消化ヘリコプターの有人飛行ができない状況でも、効率的に消火作業を行える。
同社は現在、ソフトウェアの開発を進める一方で、ドローン飛行の規制などに関して行政と協議している。また、今秋のテスト実施に向けた準備を進めている。
火災被害者としての実体験から起業
同社CEOのAlex Deslauriers氏自身も「すべてを焼き尽くしながら火の手が家に迫る」山火事の恐ろしさを知る被災者だ。昨年8月18日、同氏は家族と共にランク6の山火事による壊滅的な被害を経験。「火災旋風が大木を根こそぎにし、進路上のすべてのものを破壊していきました」
このときの体験をきっかけに、「自分のキャリアは山火事との戦いに捧げ、大きな変化を起こさなくては」と決意。山火事対策委取り組むために起業を決めたという。
公式サイトからは、共同設立者のMelanie Bitner氏も2023年8月火災の被害者であることがわかる。Deslauriers氏は航空・宇宙航空・防衛各分野で25年のキャリアを持つエンジニアだ。航空会社認定パイロットとして捜索・救助活動のボランティアも行っている。山火事の恐ろしさを目の当たりにした当日に「自分のキャリアは山火事との戦いに捧げ、大きな変化を起こそう」と決意し、自分のスキルや専門知識を活用している。
共同設立者兼COOのDavid Thahn氏は医療・山火事管理・国際緊急対応の分野で 20年以上の経験を持つ。カナダの同州山火事対策局の消防監視員として7年間勤務するなかで、予防・対応・UAV(無人航空機)プログラムに注力してきた。前出のMelanie Bitner氏はCMOとして企業コミュニケーションをはじめブランド戦略、マーケティング戦略を担当。多様な業界における25年の経験で培ったスキルを発揮している。