ビッグモーターの二の舞を前提とするならば同社はいずれまともな部分と補償を行う清算会社に分離し、まともな方は第三者による買収があり得ます。今のままで存続することは市場が許さないと思います。幸いにして企業としての価値はまだあるし、株価が事故後も奇妙に堅調な動きになっています。8月8日に第二4半期決算発表ですが先々の見通しがつかないので24年12月期は未定にする可能性が高いと思います。日本ではあまりにもひどいガバナンス事件が多すぎます。もちろん海外でもあるのですが、日本のレベルは相当ガラパゴス化して世界水準から大きく取り残されたようです。

アメリカの大統領選は外見重視か、中身重視か?

アメリカ大統領選挙については支持率だけを見れば降り出しに戻ったというトーンも見られます。大統領選挙が人気投票化するのは今の時代では防ぎようがないのかもしれません。「外見重視」とはSNSなどを駆使し、国民の気を引く手法が取りやすくなり、ポピュリズムを支える重要な手法という意味です。それが正しい選び方だとは私は思いません。ましてや一国の大統領選びとなれば100のイシューに対してどのように対応するのかをまさに審査員のごとく判断する必要がありますが、多くはSNSを介した飴玉トークに引きずり込まれるのです。

ハリス氏の支持率が高めに出ているのはバイデン爺がようやく大統領選から降りたという嬉しさや老々対決からの解放、更には女性の候補、アンチトランプ派の受け皿ということですが、どれもこれも消去法的選択なのです。ハリス氏が真の意味で大統領候候補としてふさわしいと思っている人は割と少ないはずで、大統領選が単なる天秤ゲームになってしまったということであります。

ではハリス氏は何をしてくれるのか、多分、ほとんど誰も答えられないと思います。本人が明言していないからです。では彼女の想像しうる政策ですが、過去の動きから見るとバイデン踏襲とされますが、もっと左寄りになり、平等主義が強まると思います。彼女の本質がそこにあるのです。となればアメリカの景気が落ち込めばハリス氏の政策は有利になります。一方で対中国、ロシア、ウクライナ、イスラエルといった目先の外交ポジションが見えません。外交は選挙のネタになりにくいですがアメリカの関与は深く、これを避けるにはいかないのです。パリス氏は副大統領時代を通じて色が薄かったので大々的に踏み込んだ政策は期待できないとみています。大統領選が美人投票ではないことを祈ります。