ある日、人助けのつもりで家に泊めた見知らぬ子ども。しかし、その子どもの正体は……という、まるホラー映画『エスター』さながらの事態が現実となり、2017年、英国が恐怖に打ちひしがれた。世界の難民問題に一石を投じる、本当にあった恐すぎる“難民支援ホラー事件”についてお伝えしよう。
難民支援をめぐり背筋も凍るような恐怖に巻き込まれてしまった女性、その名をジュリーさん(仮名)という。2017年3月1日、彼女は英国の民放最大手ITVの主婦向けバラエティー番組「Loose Women」に出演し、自身の体験について事細かに証言したのだが、そのショッキングな内容が各国メディアで大反響を呼んだのだ。
■出会った瞬間から、何かがおかしい……!
それは突然の依頼だった。先頃(特定を避けるために時期は明らかにされていない)、ソーシャルサービスから「わずかな期間だけ、アフガニスタン難民の12歳少年を受け入れてほしい」と打診されたジュリーさん。これまでも難民を自宅に受け入れた経験を持つ彼女は、「少しでも戦火に追われた恵まれない子どもたちの力になりたい」と承諾。早速、保護施設へと迎えに向かった。
そして彼女が対面したのは、アブドゥルという名の少年だった。とても礼儀正しく、内気で思慮深いアブドゥル。しかし、その容姿を初めて目にした時から、ジュリーさんは奇妙な違和感を抱いていたという。
「部屋に入った瞬間から、ソーシャルサービスがいう12歳の少年とは思えませんでした。19歳くらいに見えるのです」 「これまでは、10代よりも小さな子どもたちしか受け容れてきませんでしたが、彼の感情を傷つけたくなかったし、彼には家が必要だった。それ以上のことは考えませんでした」(ジュリーさん)
漠然とした不安を感じながらも、受け入れることにしたジュリーさん。家にやって来たアブドゥルは、やはり物静かな子どもでしかなかったという。ジュリーさんの2人の子どもとも仲良く過ごしているようだった。ところが、少しずつ雲行きが怪しくなっていく。