■「ファンは推しの鏡」

地方から遥々、今回の広告を見にやって来たというポスト投稿主・sさんは「本当に圧巻で、その場から動けなくなるような感動を味わいました」と、当時の心境を振り返る。しかし感動の一方で、一部ファンの迷惑行為にはモヤモヤを覚えてしまう。

sさんは「まだファンになって日は浅いですが、目黒さんのお仕事へ向ける姿勢や思いに、胸を打たれる方が多いと、ひしひし感じています」「人一倍努力家で真剣にお仕事と向き合う目黒さんや、そんな目黒さんを起用してくださったキリンビバレッジさんに残念な思いをしてほしくない、今後も素敵なものをともにつくってほしい、何より『ファンは推しの鏡』であることを忘れたくないという思いで、今回ポストしました」とも語ってくれたのだ。

前出の通り、駅ホームには様々な対策が講じられたが、それでもギリギリの位置から撮影したり、電車が来る直前までカメラを構える人物を目にしたという。

そうした光景に対し、sさんは「目黒さんの看板をとても楽しみに来ているという思いはみんな同じはずなのに、険悪な空気感が漂い、残念な気持ちになりました。ただ、もちろんルールを守って撮影している方もいます。その方たちまで乗客、利用者の方々から悪く思われてしまうのだと思うと、とても悲しくなりました」と、心情を吐露している。

他のファンへの風評被害も深刻な問題だが、sさんが何よりも懸念していたのは「撮影禁止」や「広告の取り外し」といった、鉄道会社側の対策だろう。

目黒蓮の前に現れた警告、その理由にギョッとした Snow Manファンの悲痛な声に共感の嵐
(画像=『Sirabee』より引用)

こういった事例は他の界隈でも見られ、たとえばキャンプ場や川べりにゴミを放置する悪質なキャンパーが原因で、キャンプ場そのものが「封鎖」されてしまう…といった具合である。

余談だが、漫画『ふたりソロキャンプ』には、こうした問題を的確に指摘した「自分たちの遊び場を自分たちで荒らして使いづらくするなんて馬鹿みたいじゃないか」という台詞が登場し、趣味を持つ人々に感銘を与えていた。

今回の取材に際し、sさんが口にした「私たちの行為ひとつで推しの活躍の場が、増えたり減ったりすることを心に留めておかなくてはならないです。いつでも推しに、胸を張れるファンでいたいと思います」という言葉は全てのSnow Manファン、いや全ての「推しを持つ人々」の代弁と言えるだろう。

駅ホーム内での撮影行為について、小田急からは「当社では本件に関わらず、駅務室を除く駅構内での写真撮影を禁止してはおりませんので、他のお客さまにご配慮頂き、安全を確保してマナーを守ったうえで、撮影をお楽しみ頂けますと幸いです」と、非常に懐の広いコメントが得られた。

小田急の担当者は「ホームドアに寄りかかったり、身を乗り出したり、点字ブロックの上に立ち止まるようなお客さまがいらっしゃった際には、お声がけをさせて頂くこともございます。全てのお客さまに、安全で気持ち良く駅をご利用頂けるよう、環境整備をしてまいります」とも呼びかけている。

大きな声を上げることや、全身でアピールすることでなく、いかなる時もマナーとモラルを守って応援する姿勢こそが「真の推し活」であることを、胸に刻んでおきたい。