また、同じ英語でも「方言」というものが存在する。従来の音声認識プラットフォームでは、地域毎に異なるアクセントを上手く認識できない。そして、医療従事者向けの電子カルテである以上は医療用語も理解できなければ用を成さない。
そのような事情を反映したIntron Healthの音声認識プラットフォームは、アフリカ 11か国の1,700人以上の医師が提供した25万以上の音声サンプルを使い、実に200以上の言語やアクセントに対応する。その精度は92%に達するそうだ。
オフライン環境下でも動作するプラットフォーム
一般的な音声認識技術はオンライン環境下でしか利用できないものが多いが、Intron Healthのプラットフォームはオフライン環境下でも利用することが可能だ。日本では大規模な自然災害が発生しない限り、停電など滅多に発生しない。だが、基礎インフラが貧弱なアフリカ諸国の農村部などでは頻繁に停電が発生する。電力が復旧するまで診察を停止する……などということはあってはならない。だからこそ、Intron Healthのプラットフォームは必ずしもオンライン環境を必要としない設計が施されているのだろう。
「言語の宝庫」アフリカ大陸
そんなIntron Healthは、7月にプレシードラウンド160万ドルの資金調達を完了した。Microtractionが主導し、Plug and Play Ventures、Jaza Rift Ventures、Octopus Ventures、Africa Health Ventures、OpenseedVC、Pi Campus、Alumni Angel、Baker Bridge Capitalがラウンドに加わっている。
現時点で世界42か国、1万6,000のレポート作成者を抱えるIntron Healthだが、じつはまだまだアフリカ全土の言語をカバーしているとは言い難い。