―2014年9月3日、政府は「まち・ひと・しごと創生本部」を設置。

今、地方の一部は急激な人口減少、少子高齢化によって地域の存続が危ぶまれています。日本創成会議・人口減少問題検討分科会の推計によると、消滅可能性都市は900近くにも及ぶそうです。このまま人口が推移していけば、2050年には人口1億人を割ってしまう予測がされています。

だからこそ、今「地方創生」が必要なんです。

地方創生とは?

地方創生とは、地方の人口減少に歯止めをかけるために、首都圏への人口集中を是正し、地方への人口流入を増やすことで活性化を図ることです。

特に若い世代を中心に、人口が首都圏へ集中する流れに歯止めがかかっていないのが現状ですよね。主な流出タイミングはと言うと、「高校から大学へ進学する」「大学を卒業後に就職する」ときに、首都圏へと人が集中し、地方から若者が減少することで高齢化地域になってしまいます…。みなさんの周りでも、地方から都心部へ移った方が多いのではないでしょうか?

なぜ地方の人口が減ると困るのか?

マクロな視点で捉えると、少子高齢化を加速させてしまうからです。東京は、47都道府県の中で最も出生率が低いため、東京に人口が集中してまうことは、人口減少に直結してしまうんです!つまり地方へ人口が流れていくことで、少子化対策にもなるんです!

ミクロな視点では、残された住民にとって、いろんなデメリットが考えられます。
例えば、飲食店やスーパー、娯楽施設などのサービス産業が、採算が合わなくなり撤退が進んでしまいます。生活する上で必要なものすら手に入りづらくなることも考えられますよね…。もちろん、公共の交通機関も同様です。他には、税収が減少することで、行政サービスまでも行き届かなくなる可能性があります。今まで無償で利用できた図書館が有償になるかも知れません。老朽化した道路などのインフラを整備することができなくなるかも知れません。想像するだけで恐ろしいですよね。でも、そんな日本の未来がさまざまな地域で現実に起ころうとしているんです!
 

財政破綻をした北海道夕張市
炭鉱の町として栄えた北海道夕張市が2007年には353億円の赤字で、事実上の財政破綻をしたことは記憶に新しいと思います。一時は、10万人を超える人口が今では1万人を割っています。そして、財政破綻したことで、住民税や公共料金は軒並み値上がり、なんとゴミを1リットル捨てるごとに、ゴミ処理手数料として2円かかるという現実なんです。

今まで、僕たちの先祖が築いてきた歴史や伝統、文化を継承することすら叶わない可能性が日に日に高まっていく現状を皆さんはどう感じますか? 僕は今この瞬間、記事を書き起こしながら、地元(静岡県浜松市)の活性化のために何かできないかと思い悩み始めました。他人事ではなく、自分事として捉える人が増えれば、それに伴って問題に向き合う人が増え、改善される可能性がまだまだあると思います!

「地方創生」に関する政府の取り組みは?

2014年9月3日、政府は「まち・ひと・しごと創生本部」を設置して、地方創生の支援をしてくれています。皆さんは、どのくらいご存じでしょうか?主な取り組みは下記の通りです。

▼新型交付金
・・・地方自治体それぞれの地方版総合戦略に対しての交付金。

▼政府関係機関の地方移転
・・・首都圏への人口一極集中を是正するために、部分的に地方移転を検討。

▼特区
・・・地域活性化を目的とした規制緩和を特定の地域に適用する。

▼情報支援
・・・地域経済分析システム「RESAS(リーサス)」を導入し、効率的かつ効果的な施策を打つことが可能に。地域別の人口推移や観光客の流動などを可視化。

▼人材支援
・・・市町村長の補佐役として、専門家を派遣し共に地方創生の戦略立案を行ったり、地方創生コンシェルジュという相談窓口を設置。

▼地域再生・計画
・・・地域再生法に基づき、地方自治体の「地域再生計画」を支援する地域再生制度や21世紀型都市再生プロジェクトや土地の有効利用を、環境、防災、国際化等の観点から推進する都市再生制度など。

引用元:Wikipedia

これ以外にもいろいろな関連した取り組みが行われています。例えば「ふるさと納税」は、地方創生に関連した取り組みとして有名ですよね!地方の最大の問題は、人口減少化に伴って、税収が減少すること。ふるさと納税は、地方の税収を補填する施策なんです。

他には、サテライトオフィスの支援も実は行ってくれています。企業が地方にサテライトオフィスを構えることで、首都圏への人口集中を是正することができます。

政府は日本のために、いろいろな施策を行ってくれていることが分かりますね!

結論、人口減少化に歯止めはかけられるのか?

結論としては、人口減少を止めることは難しいでしょう。

しかし、減少率を抑制することはもちろん可能でしょうし、自治体を存続させるための取り組みはまだまだできることが多いと思います。

観光客を増やすことで、サービス産業を活性化させ、税収を確保することができるかも知れません。廃校や古民家を利活用することも手段としてはあり得そうですね!地域を活性化させることで、まだまだ定住者を呼び込める可能性を大いに秘めています。

「地方創生」まとめ

幾ら政府が上記のような政策を行っても、各地方自治体などが上手く活用できなければ意味がありません。国と地方自治体、民間企業、地域住民の協力がないことには人口減少化が進む一方です。主観的な意見ですが、もっと地元の民間企業とコラボレーションして取り組みを加速させた方が良いように感じます。一方で、僕たちの知らないところで、いろいろな取り組みが少しずつ行われているようです。

今からの5年10年の行動で大きく変わる地方の明暗。

あなたの地元は、今「地方創生」に関してどんな取り組みをしていますか?まずは、知ることからでも始めてみてはいかがでしょうか?

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文・新田勢剛/提供元・Fledge

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